社会科学のアプローチに基づくコミュニケーションロボット・擬人化工－ジェントの設計に向けて:人間観察によってデザインされたロボットは「不気味の谷」を渡れるか？

摘要

粁コミュニケーションを目的とするロボットや擬人化エージェントの表出・認識の機能は極めて限定され，人とのコミュニケーションは満足できるレベルになっていない．この間題を解決するためには．人同士のやり取りに学び，人とロボットが相互に共時的に振舞いができなければならない．この解決のため，認知心理学，社会心理学，言語心理学，工学を融合した新しいアプローチ，またそれに基づく研究事例が多く見られるようになってきた．本稿では，人のコミュニケーションを観察，分析してその仕組みを明らかにして，得られた知見をロボット・擬人化エージェントのデザインに適用す る，という挑戦的な研究の背景にある理論，また分析のアプローチを紹介し，最後に，今後の研究の方向性について議論する．