物質試行No.50下田の住宅

摘要

使う素材が「もつ」まではディテールなしでいこうと思っていた。それを受け止める時、つまり面が変わる時や異物が入ってこざるを得ない時に、何もないとどうしょうもなく入り込むのがこの時のディテールの感覚だった。 一般的なプロポーションは、工業的な決まり方がほとんどだから信用できない。あらゆる工業ディテールをバラバラにしてつくり直したかったけれど、コストが掛かりすぎる。既製の工業規格品も用いながら、その寸法体系を外す工夫を各所で試みた。一番安い住宅用サッシュを、非常にハードな金属で枠をつくって入れたり、普通の工業的ディテールが見えなくなるくらい大きいパーツとして使ったり。そうして、スティールプレートによる意図的にスケールアウトさせた水切や窓回りの枠、一般的な基礎の立ち上がりを見せないディテール、内部の木製建具枠を消去するディテール家具的なスケールを持つ階段回りのディテールなどを考えた。