東京下水道における震災対策等の強靱化に向けた取組: ハード•ソフト両面からの震災対策の推進と最新の流出解析シミュレーションによる能力検証を活用した浸水対策

摘要

東京都では、これまで震災時においても下水道機能を確保するとともに緊急輸送道路等の交通機能を確保するため大規模地震や津波への震災対策事業を計画的に進めてきている。この結果、例えば東日本大震災により都内では江東区新木場地区等において地盤の液状化が発生したが、浮上抑制対策を講じていたマンホールについては浮上がなかったことなどを確認できている。一方、東京は世界の中でも地震の発生リスクが高い都市の一つであり、今後30年以内に70 %の確率で首都直下地震等の巨大地震が発生すると言われている。こうした状況の中、来年に控えた東京2020オリンピック•パラリンピック競技大会の開催とその後の東京のあり方を見据え、下水道施設の震災対策を引き続き推進していくとともに、震災後の速やかな復旧を可能とする体制の強化•充実が必要である。