中国における供給構造の改革と製紙工業の新たな発展動力について

摘要

中国経済は世界的な金融危機の影響を 受け続けて成長減速のプレツシヤーが増 すなか，製紙業界は本格的な構造調整の 過程にあって，安定的な発展と健全な成 長という良好な成果を保持している. 紙•板紙は2013年に初めてマイナス 成長へ転じたが,"十二五"（第12次五ヵ 年計画：2010～15年）の期間中に生産 量の伸び率は年平均2.9%の増，消費量 は2.7%の増で，同様に業界全体の主要 営業収入は7.28%増，純利益は2.67%増 であった.一方，構造調整では新たな 進展があり，生産集中度は徐々に高まつ てトップ30社の生産量合計が全国生産 量に占める比率は50%を超えることと なった.原料構成についても2015年に 木材パルプ•古紙パルプ•非木材パルプ の内訳は28 ： 65 ： 7となった.さらに歓 迎すべきことは，"十二五"期間中の増 産にもかかわらず汚染廃棄物の排出量は 増加せず，際立った例では排出削減を実 現し，CODcr (ニクロム酸カリウムによ る酸素要求量）については先進国レベル より低い数値を実現した.