ごみ焼却施設の運営•維持管理コスト削減に寄与する株式会社タクマの新技術

摘要

一般的にごみ焼却施設に搬入されたごみは焼却炉で焼却処理され，ごみを焼却した際に発生する排ガス中の有害物質を排ガス処理設備で除去されたのち，煙突から大気へ排出されています。また焼却したときの熱エネルギーはボイラ発電設備で発電され，エネルギーとして回収されています。都市ごみ焼却施設は，建設時に掛かる「建設コスト」と使用する薬品類やメンテナンスなど運営していくための「運営•維持管理コスト」の2つのコストに大別できますが，社会情勢の変化や環境問題への意識の高まりから「運営•維持管理コスト」は非常に大きくなりつつあります。このような背景から運営コストの削減と安定した質の高い公共サービスを期待して，その業務を民間事業者に長期(15～20年程度)包括的に一括で委託する，DBO方式(Design Build Operate)やO&M事業(Operation & Maintenance)といった事業形態が増加しつつあります。すなわちごみ焼却施設は建設時にはCO_2排出削減に代表されるような施設の高効率熱回収•省エネ化や低コスト化が求められると同時に，運営•維持管理コストの削減も強く求められます。タクマは長年の経験とノウハウを生かし，さらには最新のシミュレーション技術などを活用し，ごみ焼却施設の運営コストを削減できる様々な最新技術の開発を続けておりこれら最新技術について，概要とその効果について紹介します。今回紹介する技術を組み合わせ，最適なシステム設計をすることにより，おおよそ15%の運営•維持管理費の低減が期待できます。今後ごみ焼却施設は，ごみを焼却処理するという基本的役割以外にも様々なニーズが出てくることが予想されており，タクマはこれらニーズに対し，常に最適な技術と質の高いサービスを提供できるよう，最新の技術開発を進めて参ります。