国土強靭化地域計画策定進む: 10県市町の災害廃棄物処理への対応は

摘要

国土強靭化基本法が平成25年12月に制定された。同法は，東日本大震災の教訓を踏まえ，大規模自然災害等から国民の生命，身体，財産の保護と国民生活と国民経済に及ぼす影響の最小化に関係のある分野の現状を評価，施策を策定し，国が計画を定める。同法に基づき，国土強靭化に関係する他の計画等の指針となる国土強靭化基本計画が平成26年6月に閣議決定された。さらに，都道府県や市町村は，国土強靭化地域計画を定めることができるとしており，各地で計画策定に向けた取組みが進められている。基本計画では，8項目の起きてはならない事態を定めており，廃棄物分野では，「大量に発生する災害廃棄物処理の停滞により復旧·復興が大幅に遅れる事態」をあげている。国土強靭化地域計画の策定は全国で進んでいるが，徳島県，北海道，岐阜県，千葉県旭市，新潟県新潟市，静岡県，高知市，和歌山県広川町，三重県，高知県で計画が決定されている。ここでは，これらの国土強靭化地域計画のうち，災害廃棄物処理に関連する部分の抜すいを紹介する。