CO2を炭素源としたプラスチック原料製造

摘要

エネルギーを取り巻く環境は,5D（脱炭素,分散化,自由化,デジタル化,人口減少）に代表されるように 大きな転換期を迎えている。特に脱炭素としては,COP25（マドリード）に象徴されるように,世界的に CO2の排出削減圧力が一層高まっている。CO2の排出削 減としては,カーボンフリーな燃料への変換や,省エ ネに代表されるようにプロセスの高性能·高効率化が あげられるが,それでも各種プロセスにおいてはCO2 を排出してしまう場合がある。そこで,排ガス中の CO2を回収·分離し,それを有価物に変換し,資源と して循環利用する技術（カーボンリサイクル技術）が 求められている（図1）。CO2を有価物に変換する方法 は種々あがるが,IHI では多くの化学プロセスの基礎 原料である軽質オレフィンの合成に挑hでいる。再生 エネルギー由来の水素と回収されたCO2で,炭化水素 であるオレフィンを製造することで,合成オレフィン から製造されるプラスチックをサーマルリサイクルし ても,実質的にCO2排出量が増えない炭素循環サプラ イチェーンが構築可能となる。