汚染土壌の原位置にて不溶化のための吸着剤と固化材の 性能評価に関する研究

摘要

従来の汚染土壌処理法である掘削除去は,汚染土壌 を廃棄物最終処分場に搬出するのが一般的であるが,これは単なる汚染の移動にすぎず,本質的な解決にな らないばかりか,処分場の不足といった弊害が指摘さ れてきた1)．対して,原位置措置は掘削除去より経済 性が高く,環境負荷が低いという利点がある．しかし 汚染土壌対策の技術として認知されるためには,不溶 化の機構と,その安定性に対して一層の理解が必要で ある2)． 本研究では,原位置での汚染土壌処理技術としての 可能性を実証実験により示していくことを最終的な目 的とし,汚染土壌の不溶化と有害物質の溶出抑制のた め,吸着剤と固化材を同時に添加し,相乗効果を発現 することを期待して,鉛,ヒ素,六価クロム,トリク ロロエチレン（TCE）,2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 （2,4-D）,チウラム,シマジンの適用可能性を評価し た．