電子線グラフト重合法により作製したラッカーゼ固定化膜に おけるメディエーター効果

摘要

ラッカーゼはフェノール類を酸化する能力を持つ生 体触媒であり、その特性を利用した工業利用が望まれ る一方で、バッチ系での連続運転では、回収コストや 再利用性の問題が生じる。これらの問題点はラッカー ゼを基材等へ固定化することで克服できるが、従来の 単層固定化法では、固定化時の失活により基材あたり の活性が低くなる。そこで、ラッカーゼを多層固定可 能な電子線グラフト重合法に適用し、難分解性有機化 合物の分解を連続的に行えるシステムの構築を目的と した。本発表では、ラッカーゼ固定化膜によるビス フェノールA（BPA）の分解活性および、メディエー ターの利用について報告する。