車両接近報知音の認知性に及ぼす歩きスマホの影響

摘要

車両接近報知音（以下，報知音）とは，ハイプリット車や電気自動車に搭載されている歩行者に車両の接近を知らせる音である。これらの車両は，静音性が高いため歩行者が車両の接近に気づきにくく危険である等の問題が指摘されている。そのため，国土交通省は2010年に報知音の搭載を促すガイドラインを示し，2016年に報知音の搭載を義務付けた。本研究では，はっきりと聞こえる明瞭性と歩行者が車両から十分な回避距離を得られる認知性を両立させる報知音の提案を目的としている。本報では，被験者にスマートフォン操作や歩行動作を課し，聴取状態が異なる条件での認知性を検討した結果について報告する。