アセトンの二量化をテスト反応として用いた各種層状複水酸化物の塩基性評価

摘要

層状複水酸化物（Layered Double Hydoxide）は構造式が［M_(1-x)~(2＋)M_x~(3+)（OH）2］［A_(x/n)~(n-)·mH2O］で表される水酸化物であり，2価と3価の金属イオンから構成される水酸化物シートを基本層とした層状の結晶構造を有している·LDHは非常に特異な性質を有しており，焼成によって一度層構造を破壊したとしても，水和によって再び層構造は復元される（メモリーエフェクト）．この性質を利用し，再構築処理されたLDHは種々の塩基反応に活性をもっことが知られている．これまでに水酸化物層を構成する2価金属と3価金属の比を制御したり，種々の陰イオンをインターカレーション（OH~-，F~-，~tBuO~-）して触媒活性の変化を調べた例が報告されている．一方で，水酸化物層を形成する金属種を様々に変化させて，触媒活性を比較した研究例はほとhどない．本研究では，再構築処理を施したLDH（Mg－Al,Mg－Ga，Mg－In LDH）を用いてテスト反応を行い，塩基の量·強度·性質の観点から比較検討を行った．