ロイシンジッパーモチーフを介した細胞内運搬ペプチドとオートファジー誘導ペプチドのハイブリッド化とそのハイブリッドの細胞内導入

摘要

オートファジーを細胞内で意図的に誘導することができれば有効な治療法のない神経変性疾患の原因である異常タンパク質の凝集体を分解することができる。そのため細胞内運搬ペプチド（CPP）によるオートファジー誘導ペプチド（AIP）の細胞内導入は重要である。しかし、AIP とCPP を直接連結させた場合は細胞内導入後、CPP の持つ正電荷とDNA やRNA などの持つ負電荷との非特異的な相互作用によりオートファジー活性が抑制されてしまうという報告がある。そのため、細胞内導入後にAIPとCPP は解離させる必要があると考え、本研究では３周期のロイシンジッパーモチーフ（E3/K3）を介しハイブリッド形成させることにより、この課題を解決した。