ユーロピウムが骨格外に結合した Preyssler 型リンタングステー トの合成と構造解析

摘要

Preyssler 型リンタングステートは、ドーナツ型の分子構造内に様々なカチオンを内包できるアニオン性酸化物分子です。この内包カチオン、対カチオンおよび骨格元素を変えた新規Preyssler 型化合物を用いたプロトン伝導性材料としての研究が盛hに報告されている。当研究室では、最近ではEu~(3+)を内包したPreyssler 型リンタングステートのカリウム塩(K_(12)[Eu(H2O)P5W_(30)O_(110)])を450°C、24 時間焼成することで、K12[Eu(H2O)P5W_(30)O_(110)]と異なる新規Preyssler 型リンタングステートの合成が可能であることを報告した 。この化合物がPreyssler 構造を持つことは~(31)P NMR、IR、ESIMSおよび元素分析で確認できたが、内包カチオンの種類や位置、Eu の位置は不明であった。