マレイミド共重合体と多官能チオール架橋剤を用いた高強度耐熱材料の設計

摘要

N-アリルマレイミド(AMI)とイソブテン との共重合体は加熱、光照射、チオール-エ ン反応によって硬化し、耐熱性が向上する。 AMI とアクリル酸2-エチルへキシル(2EHA) のランダム共重合体(PAE)に架橋剤として多 官能チオール化合物であるペンタエリスリト ールテトラキス-3-メルカプトブチレート(PEMB)お よび多官能アリル化合物であるトリアリルイソシア ヌネート(TAIC)を添加して熱硬化することで優れた 接着特性を示す硬化物を合成できることが以前に報 告されている。 Fig. 1 に示す1,3,4,6-テトラキス- 2-メルカプトエチルグリコールウリル(MEGU)お よび1,3,4,6-テトラアリルグリコールウリル(TAGU)が有するグリコールウリル骨格は剛直な構造をしてお り、PAE との組み合わせで得られる硬化物は高い機械特性や耐熱性を示すことが期待される。本研 究では、PAE と種々の架橋剤の組み合わせで得られた熱硬化物の機械特性および熱特性を評価し、 高強度耐熱材料の設計に対するこれら架橋剤の作用について考察した。