妊婦血液中のフタル酸ジ－2－エチルヘキシルの代謝

摘要

フタル酸ジ－2－エチルヘキシル（DEHP）は、プラスチックや樹脂を軟化させるために広く使用さ れている可塑剤で、塗料、顔料、接着剤、潤滑油の添加剤の1 種でもある（HSDB, 2001）。DEHP は ヒト体内に入るとリパーゼによりフタル酸モノエチルヘキシル（MEHP）に加水分解され、最終的に さらに酸化されるか、グルクロン酸抱合を受けて尿や糞便中に排泄される（Nakajima et al, 2015）。 MEHP はDEHP の曝露指標に使用されるが、血液においては分解の可能性があるため、曝露指標の 妥当性が問われている（Calafat et al 2006）。そこで、DEHP の血中のリパーゼ活性を測定し、妊娠期 における血中リパーゼ活性の変化を検討した。