自動車端子用の銅合金上のAg-Nano Cハイブリッドめっきの諸特性に及ぼす影響因子

摘要

近年、化石燃料の枯渇により、電気自動車(PHEV)やハイブリッド車(PHV)が普及されている。自動車の神経と言われるワイヤーハーネスの先端には、様々な電子機器と接続している端子コネクタがあり、PHEVP, PHVの進展に伴って信頼性の要求がますます高まっている。また、給電するために、大電流（数十A以上）の高速充電コネクタが必要となる。現在、導電性と発熱性を考慮して、車載端子コネクタ、高速充電コネクタともにCu合金基材上に高導電性のAg膜をめっきしたものが利用されているが、黄金席の魂の使用量によるコスト高騰の問題のほかに、Agは凝着してしまったり、軟質であったりするため、耐摩耗性が不十分であったりという重要な課題も存在する。そこで、我々は固体潤滑材としてNano－C材料としたGrapheneに着目した。Grapheneは高導電率を有し、その他さまざまな特性からも夢の素材と言われている。Grapheneを入れると凝着が抑制され、導電性を維持しつつ固体潤滑性により耐蟹耗陸が向上すると考えられる。本研究では、Cu合金上への高価な貴金属めっきに代わる低コストかつ高性能めっき材の開発を目指し、過去の小型車載端子向けの高耐摩耗性大電流充電コネクタに向けたAg/Nano-C複合めっきを創製し、その諸特性に及ぼす影響因子について評価した結果を報告する。