Al-Al_(2．7)Fe_(0．3)Ti微細化剤におけるヘテロ凝固核の高体積分率化

摘要

アルミニウムの鋳造では，微細化剤の添加が行われており，微細化剤中のヘテロ凝固核粒子を凝固の核として作用させることによって結晶粒を微細にさせている．現在使用されている微細化剤であるAl－5mass％Ti－Bでは，板状のAl_3Ti粒子と粒状のTiB_2粒子がヘテロ凝固核粒子として働いている．しかし，Al_3Tiは結晶対称性の悪いD0_(22)構造を有し，かつ板面である（001）_(Al_3Ti)においてはアルミニウムとの整合性が良くはない．そこで我々は，結晶構造の対称性が高く，かつアルミニウムとの格子整合性が良いL1_2型結晶構造の金属間化合物に注目し，従来微細化剤と同程度のヘテロ凝固核粒子を含有したAl－10vol％Al_(2.7)Fe_(0.3)Ti微細化剤を製造し，その微細化能を調査してきた1）．