ラット頭蓋冠欠損モデルを用いた リン酸三カルシウムファイバースキャフォルドの骨形成能の評価

摘要

自然に治癒することができない骨組織の罹患または骨折は、人々の生活の質(QOL)を低下させる。この問題 を解決する方法のひとつに骨を再生させるティッシュエンジニアリングがある。当研究室では、骨再生に最 適な足場を開発するためにリン酸カルシウムファイバー(CPF)を用いて、連通気孔径をもつ「 -リン酸三カル シウムファイバースキャフォルド(TFS)」を作製した[1]。これまでに内軟骨性骨化を経るウサギ脛骨への埋入 試験において TFS が優れた骨形成能を有することを明らかにしている[2]。しかしながら、この実験は異なる 骨化過程を経る骨組織においても同様な結果を示すかは分かっていない。そこで、本研究では、ラット頭蓋 冠欠損モデルを用いて、膜性骨化を経る骨欠損部における TFS の骨形成能について調べたので報告する。