ナフタレンを用いて作製した多孔質GdBa2Cu3O_(7-δ)基セラミックス線材 における電流の振動現象に及ぼす相対密度、長さ、印加電圧の影響

摘要

我々は、ポーラスな GdBa2Cu3O_(7-δ) (Gd-123) セラミックス線材に、室温で、ある値以上の電圧を印加 すると、線材の一部分が赤熱する現象を見出し、これをホットスポット現象と名付けた 1) 。ホットスポットの サイズは印加電圧の増加と伴に直線的に増加し、線材を流れる電流は印加電圧には依存せず、周囲の酸素分 圧の低下に伴い減少する。また、酸素分圧 (Po2) 1 kPa 以下で、印加電圧を増加させると電流が減衰振動 2) す る。最近では、ポーラスな線材を作製するための造孔剤としてナフタレンが有効であること 3) 、線材の相対密 度および長さが電流の振動現象に与える影響 4) について報告した。本報告では、ナフタレンを造孔剤として 用いて作製した線材の相対密度および長さに加えて、印加電圧が振動現象に与える影響について報告する。