（平成 28年度学術賞受賞講演）量子ビーム実験と計算機 実験による非晶質材料の構造物性の研究

摘要

ガラス·アモルファス材料に代表される非晶質材料は、結晶 材料が持つような長周期構造を有さないために空間群のような 記述子が存在せず、その構造は二体相関でしか記述することが できない。図１に放射光 X 線散乱実験から得られた二酸化ゲル マニウム(GeO2)の結晶およびガラスの全相関関数 T(r)を示す。 GeO2は結晶もガラスも GeO4四面体が O を頂点共有することに よりネットワークを形成するが、この繋がり方の違いが結晶と ガラスの構造の違いを支配している。図からも分かるようにガ ラスでは 4 A 以上では結晶のような周期性が観測されないが、 このことが非晶質材料の構造と機能の相関を解明するための大 きな問題である。