第五回内国勧業博覧会台湾館内の住居展示と伊能嘉矩の漢人家屋研究

摘要

1903 年大阪で開かれた第五回内国勧業博覧会に登場し た台湾館は、移築や模造の手法で造られた「台湾風」な 建物群によって構成され、パビリオン自体が植民地の在 来建築文化を示す大型装置となっている。その設置意図、 象徴的意味、建設経緯についてはすでに松田氏1、呂氏2、 松下氏3等の研究があった。これに対して、台湾総督府が 企画した漢人と先住民の風習を紹介する土俗と蕃俗部門 の展示にも、それぞれの建築文化に関する出品があった。 本研究は特に台湾館内にーつの主題として専有コーナー が設けられていた漢人住居の展示に主眼を置いている。