地方公共団体における総合評価落札方式の分析: 地域性の把握と予定価格公表の影響分析

摘要

平成17 年4 月に「公共エ事の品質確保の促進に関する 法律」が施行されて以来，価格に加え，価格以外の要素 （技術カ等）を総合的に評価する総合評価落札方式が拡 大した。現在，国土交通省発注のエ事では，ほぼ全ての エ事で総合評価落札方式が実施されているが，地方公共 団体発注のエ事では，各団体によって制度上に差異があ り，各団体によって総合評価落札方式の実施状況も様々 である。本研究では，①国土交通省と各地方公共団体に より公表された入札データを取集し，総合評価落札方式 の適用率，逆転落札率，さらには欧米での先行研究とし て挙げられるDrew and Skitomore[1992]の企業の競争カ値 に対する分析を行う。②国土交通省発注のエ事ではすべ てが予定価格事後公表であるという現状に対し，地方公 共団体発注のエ事では予定価格事後公表に加え予定価格 事前公表が行われている。これらの制度の違いを明らか にし，入札企業に与える影響について分析する。