騒音環境下で働く作業者のための騒音低減·音声通信システムの開発―スペクトル拡散音波を用いた作業者の位置測定システム

摘要

本報告では，開発したスペクトル拡散音波による位置測定システムの測定精度の評価を行った．3 次元誤差の全体の平均値は19.0 mm，標準偏差は7.5 mm であり，作業者の位置と向きを検出するには十分な精度であると言える．さらに誤差を改善するためには，測定範囲を考慮してスピーカの配置を決定すること，スピーカの有効振動半径を考慮した補償方法を検討することが必要である．また，測定範囲を広げる場合，遠近問題が重要な課題になることが分かった．この問題を解決するために，干渉キャンセラの導入，時分割多重または周波数分割多重接続の併用を検討する必要がある．