転倒予防のための仮想ライトタッチ型歩行デバイスと筋骨格モデルに基づく歩行解析

摘要

日本においては超高齢社会に伴う高齢者の転倒事故の増加が問題となっている．我々はこれまでに，姿勢保持の支援を行う方法として仮想ライトタッチコンタクト(VLTC: Virtual Light Touch Contact)を提案し，立位や歩行時の姿勢保持支援を実現してきた．また，日常的な歩行支援を目指してウェアラブルデバイスの開発を行い，プロトタイプを用いて有効性を示した．しかしながら，VLTCが姿勢動揺の低減を可能とする機序は分かっておらず，歩行へ与える影響も明らかではない．歩行のダイナミクスを考慮した場合には身体内部の筋収縮力や関節トルクなどを考慮した詳細な検証が必要である．