東日本大震災時のTwitterデータに基づく情報伝搬ネットワークの解析

摘要

Twitterは個々のユーザが140文字以内の短文（ツイート）を投稿するマイクロブログの一つである．ユーザはフォローしている相手のツイートを読むことができ，また自身のツイートをフォロワー（自身をフォローするユーザ）に伝えることができる．このTwitterの認知を大きく広げるきっかけとなったのが，2011年3月11 日に起きた東日本大震災である．Twitterは震災時にダウンしてしまった電話網に代わり，安否確認や災害情報の収集など，様々な場面で活躍した．その背景にあったのが，流れる情報のスピードと量，拡散性である．ソーシャルメディアとライフスタイルが密接な関わりを持ち始めた昨今において，こうしたメディアに基づく情報伝播を解析することは目下の課題であり，その学術的意義は大きい．これまでも多くの研究がなされ，内在する興味深い知見が明らかにされてきた．中にはツイートのモニタリングによりイベントの発生場所を予測する研究も存在し，高い評価を受けている．以上の背景に基づき本研究では，Twitterにおける情報伝播，特に東日本大地震時のデータに着目し，その特性について解析を行う．