バイオ燃料利用燃料電池燃料極反応に関する理論解析

摘要

直接アルコール形燃料電池は，その燃料貯蔵密度の高さから次世代の携帯機器用電源としての期待が高い燃料電池である．アルカリ性電解質を用いることでアルコールの酸化性能が大きく向上するため，バイオマスからの大量生産が可能であるエタノールやその他の有機物を燃料として直接利用できる．しかしその実用化にはさらなる酸化性能の向上と電極の被毒耐性や性能持続性が求められている．アルカリ環境での触媒としては，金が高活性を示すことが知られている．本研究では金ナノ粒子触媒の酸化活性と被毒耐性の高さに注目し，金触媒の表面·界面解析結果に基づくエタノール酸化反応機構を解析した．