生徒に自信をつけさせる工業高校の授業を目指して（都立工業高校全日制機械科での実践）

摘要

工業高校に通う生徒は、学力面、生活面、経済面など多くの困難を抱えている。筆者が勤める田無工業高校でも、偏差値偏重教育に傷つき学力面を筆頭とした困難さから、自分自身に自信をもてない状況で入学してくる生徒がほとhどである。けれども、本校の昨年度の卒業生は、厳しい就職状況にも関わらず、就職希望者全員が内定を勝ち取り、西武鉄道やブリヂストンといった大手企業にも就職実績を残している。このような、生徒の成長や自立への筋道を作っていく工業高校の教育において、職業教育のもつ「自信をつけさせる力」や「学習意欲を引き出す力」は大きな役割を担っていると筆者は考えている。このような「工業高校の教育力」をより一層伸ばすために、筆者は「高校生が大学生に旋盤実習を教える実践」や「身近な材料を使った面白実験で流体力学を学ぶ実践」を行ってきた。本講演では、筆者が行ってきた実践を取り上げ「工業高校の教育力」について、少しでも関心を持っていただければ幸いである。