片手用車椅子のための操作トルク検出機構に関する研究（（第4報）ハンドリムに実装した検出機構によるトルク計測実験）

摘要

障害や高齢が原因で，歩行が困難な方は，車椅子を利用することで，自由に移動できる喜びを得て，豊かな生活を送ることができる．片麻痺障害等で片手でしか車椅子の操作が行えない方のために，レバー式など各種自走式の片手用車椅子が実用化されている．このような市販の片手用車椅子は，屋内など走行抵抗の少ない平地において短距離を移動する場合に極めて有用な機器であり，各種施設や自宅内で活用されている．しかしながら，屋外では坂道などのために，身体的負荷が増大する．したがって，片手用車椅子にこそ屋外での使用を考えたパワ―アシスト，坂道走行支援機能などのアシスト機能が必須であり，適切なアシストを行うには的確な操作トルクの検出が重要となる．たとえば，ハンドリムを握る手の位置が変化しても正確なトルクを計測することができれば制御性が向上する．本研究では，我々の開発している3本ハンドリム式片手用車椅子に適用可能な操作トルク検出機構をハンドリムに実装し、トルク計測実験を行って高精度なトルク検出ができる方法を検討したので報告する．