低サイクル疲労を考慮した石油タンク底板の許容局部腐食深さ

摘要

屋外タンク貯蔵所の保安検査の検査周期は，昭和52 年以降に設置された容量1 万キロリットル以上の特定屋外タンク貯蔵所は８年ごと，その中で腐食防止措置等の保安のための措置を講じているものは10 年ごととされ，平成15 年には新たに13 年ごとという時期も規定されている．しかるに行政刷新会議による「国家備蓄石油管理等委託費」の事業仕分け（平成21 年11 月27 日）において，この保安検査に係る周期は安全性を十分検証しながら規制緩和の可能性を探ることが求められた．そのため消防庁で「屋外タンク貯蔵所の保安検査の周期に係る調査検討会」（亀井浅道·座長）が設置され検討が行われた．本報告は裏面に局部腐食が生じた石油タンク底板の耐震性を評価するため，局部腐食深さがどの程度進行すれば地震時に低いサイクル疲労破壊するかの評価方法を提案し，実際の石油タンクに適用した場合の事例を示す．