ナノ繊維·粒子の最適制御技術を基盤とする新規複合材料機能の開発

摘要

同志社大学先端複合材料研究センターは，2012年に学内研究センター群の1つとして設立され現在に至っている．その間，2013年から5年間文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択され，ナノ繊維·粒子の最適制御技術に関する研究を推進してきた．本報告は，強化繊維と樹脂との界面強度向上のアプローチとして，①炭素繊維（CF）への直接ナノ繊維の析出技術，②樹脂フィルム中へのナノ繊維均一分散技術を確立し，その最適化が重要であることを明らかにした．具体的に，①は，CVD法によりCF表面をナノ繊維で修飾し，②は，伸長流動混練により樹脂中にナノ繊維を均一分散させ，界面強度·機能を向上させた．これらは，ナノ繊維の最適制御という課題に対して得られた先駆的な共同研究の成果である．図1に模式的に表現したナノ繊維の最適制御技術を示す．