MXナイロンを用いた食品包装用途の最新開発動向

摘要

1-1)食品包装に求められるガスバリア性樹脂近年、環境問題への意識の高まりから、食品包装の減容減量化、省資源化や食品ロス削減に向けた取り組みがなされている。また、少子高齢化、個食化や時短等の生活スタイルの変化が進み、長期保存可能な少量個包装の製品が増えている。これらの変化に対応するため、食品包装に求められる要求は年々高くなっている。特に、包装の軽量化にともなう食品の品質への影響抑制や、賞味期限延長の要求が多い。酸素等を遮断するガスバリア性樹脂は、これらの要求を満たす材料として期待される。1-2)ポリアミドMXD6の特長メタキシリレンジアミン(MXDA)とアジピン酸の重縮合体であるポリアミドMXD6 (Figure 1、別名：MXナイロン)は、ポリアミド6と比較して、数倍～十数倍の優れた酸素や炭酸ガスのバリア性を有しており、その湿度依存性も小さいことが特長である。また、適切な結晶化速度を有しており、包装材料に用いられるPPやPET等の樹脂との複合化(多層、ブレンド)がしやすく、成形加工性に優れている。本発表では、ポリアミドMXD6の特長を活かした食品包装用途への適用結果と、新しいポリアミドの開発動向について報告する。