炭素繊維およびアラミド繊維ハイブリッド型ポリアミド66複合材料のトライボロジー的性質に及ぼす相手材の影響

摘要

現在，強度や耐熱性だけでなく，潤滑性にも優れたポリアミド（PA)が，自動車やOA機器をはじめとした機械しゆう動部品の材料（トライボマテリアル）として多用されているが，ガラス繊維（GF)，炭素繊維（CF)やアラミド繊維（KF)などの強化繊維と複合化して使用されているのが一般的である.また，高性能化のため，それら強化繊維を組み合わせて複合化するハイブリッド繊維複合型複合材料の遍用も検討されている.しかしながら，実際にトライボマテリアルとして使用する場合，しゆう動部の相手材料（以下，相手材）としては各種金属材料が使用されているが，それら相手材の種類がPA 複合材料のドライボロジー的性質に及ぼす影響や相手材攻撃性など不明な点も多い.本研究では，高分子材料の摩擦摩耗メカニズムの解明を目的に，マトリックス樹脂としてPA66を用い，強化繊維としてCFおよびKFを組み合わせて用いたCFおよびKFハイブリッド型複合材料のトライボロジー的性質に及ぼす相手材の種類の影響について実験的に検討した結果を報告する.