組合せオークションを用いたセル生産スケジューリング手法の基本特性解析―解の最適性と求解の効率性について

摘要

近年，消費者ニーズの多様化や市場における製品寿命の短命化により市場動向はますます不透明になりつつあり，生産現場では市場動向に鋭敏かつ柔軟に対応できる変種変量生産に適した生産システムが求められている．この変種変量生産への対応が期待できるシステムの一つとしてセル生産システムの導入が盛hに行われている[1]．このセル生産システムを効率的に運用するためには，各セルへの適切な資源配分が重要となる．また複数の財の配分問題に対して，組合せオークションの有効性が明らかになっている[2]．本稿ではセル生産システムにおいてシステムの稼動前に当日の生産計画を立案する状況を考え，スケジュールの立案には自律分散型のオークション型スケジューリング手法の一つである組合せオークションを用いた最適化手法を提案する．そして，入札の効用に基づいて入札数を限定する際に，勝者となった入札の近傍を探索することにより高速な求解法を目指す．さらに実行可能な入札を全て行う場合と比較し，得られる解の最適性と求解の効率性との関係を明らかにする．