複合材料における多体間相互作用－ミクロとマクロを繋ぐメゾメカニクス

摘要

繊維強化複合材料の変形·破壊の研究では，繊維破壊に伴う隣接繊維への応力集中を解く手法の一つにシェアラグアナリシスと呼ばれる近似計算法がある．この手法は多くの繊維破壊間の相互作用を解くことのできる数学的表現がなされている．しかし，マトリックスは応力伝達媒体としてのみ働くとし，繊維軸方向へのマトリックス応力は無視されていたため，（i）高強度金属やセラミックがマトリックスの場合は適用できない，（ii）残留応力が組み入れられないなどの問題があった．本講演ではこれらの点を修正した「修正シェアラグアナリシス法」とモンテカルロ法を組み合わせて，多体間の相互作用で現われる金属系·セラミック系複合材料の挙動·特性をシミュレートした結果を報告する．