陽イオン交換膜の性質が膜容量性脱イオンの脱塩性能に及ぼす影響

摘要

世界的な淡水の需要の高まりから期待されている海水（汽水）淡水化技術の一つに，容量性脱イオン（Capacitive deionization（CDI））がある．CDIは2枚の多孔質電極に電圧を印加し，電極表面にイオンを吸着させることで脱塩を行う．CDIは熱，高い圧力を用いないため，ほかの脱塩技術に比べエネルギー消費量が少ないが，吸着過程で生じるファラデー反応，共イオン反発の影響によりエネルギーロスが生じる．そこで，従来のCDIにイオン交換膜を組み合わせた膜容量性脱イオン（Membrane capacitive deionization（MCDI））が考案された．本研究では，MCDIの性能向上に向けた最適なイオン交換膜の開発を目的として，MCDIに用いる陽イオン交換膜の性質がMCDIの性能に与える影響を調査した．