微量ガス添加が大気圧Arプラズマ処理によるフッ素樹脂の表面改質効果に及ぼす影響--フッ素樹脂とAgインク膜の密着性向上への応用

摘要

近年の情報通信技術の発達とともに，より膨大なデジタルデータ通信のために信号が高周波化されている。そこで次世代の高周波用プリント配線板材料として誘電特性が優れているフッ素樹脂，その中でもポリテトラフルオロエチレン（Polytetrafluoroethylene：PTFE）が注目されている。しかし，PTFEは表面エネルギーが小さいため，他物質との密着性が乏しく，実用化の弊害となっている。我々はガス置換型のプラズマ処理装置を用いて金属との密着性を大幅に向上させる手法を開発した1）．しかしながら，実用化する上では真空排気系を必要としない大気開放型のプラズマ処理が求められている．本研究では大気開放型のプラズマ処理において，プロセスガスに微量のH_2とO_2を添加し，PTFEの表面改質効果に及ぼす影響を調査し，Agインク膜との密着性向上を目指した．