超1GHz-NMRマグネット内層酸化物超電導コイルの特性

摘要

真鍮で補強したBi-2223テープ線材では、4.2Kに冷却することにより、導体テープ面に外部磁場が平行な場合には、外部磁場28T中でも200A／mm~2を上回る高いオーバーオールの臨界電流密度値（臨界電流を導体の全断面積で除した値）が得られる［1］。920MHz-NMRマグネットの最内層Nb_3Snコイルを、上記の真鍮補強Bi-2223線材を用いた最内層Bi-2223コイルで置き換えることにより、金属系超電導線材だけでは困難と考えられる1.03GHz（24.2T）のNMRマグネットの実現を目的として研究開発を進めている。この最内層Bi-2223コイルの製作を行い、これを920MHz-NMRマグネットのNb_3Snコイルとドッキングして、その特性評価の試験を行った。その結果、目標仕様を満足する結果が得られた。その内容について報告する。