双発式海流発電タービンへ作用する非定常流体力の評価

摘要

海流は昼夜や季節による流れの速さ·向きの変動が少なく安定しており，長期かつ連続的に利用できることで，年間を通じて安定的な発電が期待できる．また,日本沿岸を流れる黒潮は世界的にも有数の強い海流であり，非常に魅力的な再生可能エネルギー源であるため,我が国の自然エネルギーを利用したクリーンな安定電源を新たに構築することができると期待される.本研究では,海流を利用した水中浮遊方式の発電システム(図1)の要素技術の研究の１つとして,実機サイズを模擬した数値流体力学(CFD)を実施し,双発の海流発電タービンへ作用する非定常の流体力特性を評価した.単発と双発のタービンそれぞれの場合に計算を実施し,双発に特有のクロスビームが性能に与える影響を明らかにした.また,実機において想定される翼位相が異なる場合や水深方向に速度分布がある場合においても検討を加えた.