階層的故障分類法の原理を用いた故障診断データベースの開発－機械要素間のデータ共有を目的とした故障表現の標準化

摘要

ジェットコースターや飛行機の事故など，世の中では事故や故障が絶えず起きている．事故や故障が起きた場合にはその真の原因を特定して，適切な再発防止策を講じることが重要である．再発防止策を検討する際には故障に関連する文献を調査し，その中から取捨選択した情報の組み合わせで対策を検討しなければならないが，必要な情報が記載されている文献を正しく選択し，さらにその中から最適な情報を選択することは，対象となる分野の専門知識がない場合には困難である．本研究では階層的故障分類法の原理を利用して，経験や知識が十分でない技術者が故障原因を探索し，再発防止策を考案する際に必要な情報を効率的に取得するために，故障技術情報をWeb上で共有できるデータベースの開発を最終目標としている．ここでは，データを効率的に取得し，機械要素間に共通する技術情報の一元管理を実現するために必要な故障表現の標準化について検討を行っている．