配管減肉保全管理の高度化に向けた研究調査活動 (1.研究分科会活動の全体概要）

摘要

流体が流れるプラント配管等における減肉現象は、プラントの安全上および保全管理上の重要課題である。欧米では多くの事例の経験を踏まえて1970年代より関連研究が実施され、その研究成果に基づいて予測手法を使用した管理などのプラント保全管理が行われている。これに対して日本国内では、事業者で自主的な管理指針を作成してきたが、2004年に発電所で発生した配管破損事故を機に、日本機械学会において2007年までに、配管の肉厚測定に基づく減肉管理を規定した配管減肉管理に関する規格および技術規格が制定され、これらに基づいて管理が実施されている。さらに、減肉管理の改善や高度化を含む規格改訂に向けた技術開発課題を抽出することを目的とした技術戦略マップが作成された。この技術戦略マップを参照し、国内の各関係機関において、規格で定められた減肉管理の手順に対応して、肉厚測定の箇所·方法·時期の選定法につながる予測手法開発、検査モニタリング手法、健全性評価の判断基準などについて、検討や研究開発が進められてきた。