体外循環デバイス開発評価のための小動物モデルの構築

摘要

人工心肺に代表される体外循環は，心臓手術および急性期の心肺補助には欠かせない方法となっている．しかし，体外循環は生命を救う一方で，生体に様々な影響を及ぼすことが知られており，その多くは解明されておらず，さらなる研究が必要である．また，近年，世界中の研究施設において，金銭的·倫理的問題から大動物での実験の実施が徐々に困難になりつつあり，体外循環研究や体外循環デバイスの新規開発における基礎研究を継続するために，小動物体外循環モデルの構築が求められてきた．このような背景のもと，これまでに我々は体外循環領域の基礎研究を効率的に行うことを目的としラットを用いた体外循環モデルを構築してきた．今回，体外循環回路および体外循環デバイス内面に塗布し，炎症反応抑制を目指した新型のポリマーコーティング開発において，本モデルを用いて生体反応評価の基礎検討を行ったので報告する．