温間バルジ成形によるマグネシウム合金製T継手の製造法開発（第二報）- 金型の表面処理と潤滑剤の影響

摘要

マグネシウム合金は比重が1.74と実用金属中で最も軽量であり、リサイクル性にも優れているため環境負荷低減に向けて注目されている金属である。マグネシウム合金はダイカストや射出成形などによる製品の開発が進められているが、中空部材の製品の研究例は少ない。我々は自動車など中空の構造部材に使用される製品を製造することを目的とし、温間バルジ成形に着目してその代表的な加工品であるT継手の最適製造法について研究を進めている。本研究室では既報においてバルジ成形の加工条件の探索をしてきており、金型へDLC(Diamond-Like-Carbon)コーティングを施すことにより潤滑性の向上を確認することができた。本報では金型の表面性状とDLCコーティングの有効性に着目し、金型に適正な表面粗さの選定や表面加工等を行い、バルジ成形性の向上を目指した。