前腕ひねり作業のモデリングに関する研究（第1報）－作業肢位に対する作業対象回転可動域の計測と推定

摘要

近年，CAD/CAE や生産工程シミュレータなどに，デジタルヒューマンと呼ばれる3 次元グラフィックスによる人体モデルを登場させ，製品の操作性や製品との親和性，あるいは工場における人間の作業性などを視覚的に検討する手法が導入されつつある．このデジタルヒューマンモデルにおいて，作業姿勢を基に作業対象の回転可動域を推定することができれば，回転を伴う製品を設計する際に有用であると考えられる．本研究では，前腕のひねり作業に着目し，作業する腕の姿勢によって，作業対象の回転可動域がどのように変化するかを実験して計測する．また，計測結果を基に，上肢と作業対象から構成されるリンクモデルにおいて，各セグメントの方向ベクトル同士の一致度を定義し，その一致度から作業対象の回転可動域を推定する方法を提案する．