LC直列回路方式セル電圧均等化回路におけるセル切替周期と均等化時間の関係性に関する一考察

摘要

著者らはこれまでに，蓄電装置の充放電容量低下の防止を目的として，Fig.1に示すLC直列回路方式セル電圧均等化回路（以下，提案回路）を提案し，その有用性について検討してきた。提案回路ではFig.1に示すように各蓄電セルとLC直列回路を双方向スイッチを用いてセル切替周期T_(CC)毎に順次切り替えることでセル電圧の均等化を図るため，LC直列回路部のインダクタンスLやキャパシタンスC等の回路定数のほか，T_(CC)の値により均等化に要する時間（以下，均等化時間と呼ぶ）が変化する。そこで適切なT_(CC)を設定する指針とするため，これまでにLおよびCの等価直列抵抗分rを考慮したLC直列回路の時定数に着目し，T_(CC)と均等化時間の関係性についてシミュレーションおよび実機実験にて検証してきた。しかしながら，前述の検討ではセル数やデッドタイムなどの影響について考慮しておらず，検証は未だ不十分であった。