フラックスバリア型回転子構造を持つシンクロナスリラクタンス型ベアリングレスモータの効率調査

摘要

我々は、その中でも、シンクロナスリラクタンス型ベアリングレスモータ(SynRel BelM)に注目して研究·開発を行っている。このモータは、回転子·固定子共に永久磁石を使用しない構造である。そのため、単純な構造で、丈夫かつ安価に製作でき、高速回転に適している。加えて、永久磁石を使用しないことから、高温·極低温、そして、温度変化の激しい特殊環境下においても使用できるといった特長を有しており、上記BelMsの特長をさらに活用できる可能性を持つ。これまでに、著者らは、回転子の鉄心部分に多数の空隙(フラックスバリア)を設けて、磁気的な突極性を持たせたフラックスバリア型回転子構造を持つSynRel BelMを新たに提案している。そして、既に提案されている突極型回転子構造を持つSynRel BelMと比較して、新たに提案する構造は、良好なトルク·軸支持力特性を備えていることを確認している。つまり、本モータは従来型と比較して、より高い軸出力を得ることが出来るため、高効率化が期待される。しかし、本モータの実機における効率調査は未だ行われていない。そこで、本稿では、製作した試作機を用いて、フラックスバリア型回転子構造を持つSynRel BelMの効率調査を行ったので以下に報告する。