スモールパンチ試験法を用いたTi-43Al-5V-4Nbのクリープ特性評価

摘要

近年，国際的な環境水準の向上に伴い，タービンブレードなどの航空機エンジン部品の軽量化が重要な関心事となっている．そのような中，比重が鉄の半分であるにもかかわらず優れた高温強度特性を持つTiAl合金が既存のNi基合金に代わる新しい材料として期待されている．高温燃焼ガス中で高速回転するブレードには遠心力や熱応力が繰返し発生することから，引張特性やクリープ特性，熱疲労といった優れた高温強度特性が必要となる．しかし，型鍛造にてブレードを製造する際，導入されるひずみやひずみ速度が部位によって違うため，再結晶速度が異なり結果としてミクロ組織や強度特性に差異ができてしまう．ブレード内の局所領域の強度特性すなわち実製品の正確な強度特性分布を把握するには，標準の大型試験片を用いた計測·評価では困難であり，小さな試験片を用いる必要がある．