成形性に優れた1.2GPa級冷延鋼板の開発

摘要

CO_2ガス排出量の低減（車体の軽量化）と衝突安全性向上の観点から、高強度鋼板の車体への適用が進hでいる。冷間プレス用鋼板としては、伸びと穴広げ性のバランスに優れたTS：980MPa 級のDual Phase (DP)鋼や曲げ重視型のTS: 980MPa級鋼板が開発され、自動車の骨格部材に幅広く適用されている。一方、さらなる高強度クラスでは熱間プレス工法の適用が進み、成形加工後にTS:1.5GPa級や1.8GPa級の部材を得ることができる熱間プレス用鋼板が開発されている。しかしながら、熱間プレス工法は加工様式の制約や生産性の課題も多い。TSが1.2GPa （1180MPa）以上の冷間プレス用鋼板については、DP鋼を中心に適用されているものの、延性は必ずしも高くないことから、曲げ成形主体の部品に適用されるのみであった。そこで、より多くの骨格部材に超ハイテンを適用すべく、冷間プレス成形を前提とした成形性に優れたTS:1.2GPa級冷延鋼板の検討を行った。