移動体用樹脂ウインドウを支える表面コート技術：高耐候性と髙耐傷性を両立できるハイブリッドコートの開発

摘要

近年，環境保護の観点から，自動車のCO_2排出規制は日米欧だけでなく新興国においても強化されており，特にEUでは，2021年には95 g/kmのCO_2排出基準を満たさなければならない状況である.また欧州を中心としたEV化の動きが加速しており，内燃機関車と同等の利便性，すなわち航続距離の延長が求められている.これら課題に対する解決手段の検討は，様々な観点から進められているが，外装に関しては軽量化，重量バランスの最適化，空力特性の向上の3つが重要とされている.今回は，この鍵を握る一つの車両の重量バランスを考えた軽量化に着目した.本稿では，熱硬化型2液タイプのハードコートに着目して，その層構成，層物性および硬化度の制御による耐候性および耐擦傷性の向上について検討を行い，本開発品の性能を従来の市販ハードコートと比較した結果について報告する.