後方追突事故回避·低減を目指した事故分析の新たな取り組み

摘要

近年、アクティブセーフティ·システムがこれまでになく普及し、今では新車の必須部品となっている。横滑り防止装置であるESCはその代表的な例である。ESCは走行状態が不安定になった場合、あらゆる危険な状況でドライバをサポートする装置であり、各車輪に自動でブレーキをかけることで横滑りを防止し、車両を安定させる。この結果、重大性の高い車両の単独事故数が減少した。実際、有名な自動車メーカーや独立系の研究機関が行った国際的な調査から、ESCが事故件数の低減に効果があることがわかっている。たとえば、Baumetalの研究によれば、欧州（EU25）内の全乗用車にESCが100%装備されれば、年間4000人の人命を救うことができ、さらには、約95,000人の傷害を防ぐことができると考えられている。また、アメリカでは、ESCのような車両安定制御装置により年間9,500人の命と252,000の人の傷害を未然に防ぐことができるとまで考えられている。このように高い事故回避能力により、静止障害物に対する事故の割合は大きく減った。