無人ソーラー飛行機（ソーラー UAV) の電気システムに関する研究

摘要

近年，人が立ち入れない地域や広域災害などの現場で無人飛行機〔LAV: Unmanned Aerial Vehicle）の需要が高まっている．UAV は，人を危険にさらすことなく上空から正確な情報収集ができるという利便性をもっていることから，今後さまざまな場面で使用されることが予想される．一度の飛行で多くの情報を得ることができるようになるということは今後の UAV の発展要素の一つと言えるが，そのためには長距離飛行や長時間飛行などが UAV には求められる．しかし，長距離飛行を実現することはバッテリーの容量が小さいので容易ではない．そこで，長時間継続的に飛行することを目的としたソーラー UAV の研究開発が行われている［1］．ソーラー UAV とは，一般的に主翼上面に軽量な太陽電池モジュールを搭載し，バッテリーに蓄電を行いながら自立飛行をする無人飛行機である［2］．本研究での最終的な目標は太陽電池の発電およびリチウムイオン系バッテリーへの蓄電を行うシステムを搭載し，長時間の自立飛行を可能とする機体を製作することである．今回の研究では，高価な太陽電池モジュールを自立飛行実験の失敗による墜落で破損させることを防ぐため，太陽電池を搭載した状態で飛行する機体「ソーラー飛行機」と，自立飛行の実験を行うための機体「UAV」を製作し，実験を行った．